• 2022/06/06
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【パート2】学部によってこんなに違う⁈ カナダの大学の仕組み、丸裸にしちゃいます!

皆さま、こんにちは!前回のコラム「カナダの大学の仕組みパート1」はもうお読みくださいましたか?今回はその続きで、授業の決まり事や選択方法、専攻と副専攻についてなどを詳しく紹介していきますね☆

1、ガイドラインの把握が大事

1、ガイドラインの把握が大事

まず始めに、カナダの大学は、大学という枠の中に学部という箱がいくつも入っている感じで、それぞれの箱は完全に独立しています。学部ごとに建物も違うので異なる学部生とは同じキャンパスにいてもなかなか会わないですし、なんだったら卒業式の日程も違います!(例:私の大学は卒業式は3日間あり、A学部は1日の午前、B学部は2日の午後という風に学部で分けられていました。)そのため、同じ大学の学生といっても、所属学部によって経験する大学生活はかなり異なります。「学部によって大きな違いがある」ことは、今回のコラムで追っていく内容のキーポイントです。これを記憶にとどめつつ以下を読んでくださいね☆

さて、前回のコラムで、カナダの大学生は1学期に最大5つの授業を履修していくと説明しましたね。では、この5つの授業はどのようにして選ぶのでしょうか?それを探る前に、まずは比較として日本の大学の「授業」について確認していきましょう!

日本の大学では全学生が必修の教養科目があります。学生は教養科目の授業を受けつつ、所属する学部の専門科目を学んでいきます。ざっくりした言い方になってしまいますが、日本の大学生は卒業するために「教養科目の必修授業+学部の必修授業+選択授業」を履修します。これはカナダの大学でも同じでしょうか?正解は「いいえ」です!なぜなら、カナダの大学には全学生必修の教養科目は存在しないからです。これは結構驚くことではないかと思います。実際、入学当初の私は全学生共通の授業がないことにびっくりしました。

では、カナダの大学では必修授業は全くないかというとそうではなく、学部ごとに指定されたものがあります。なので「学部の必修授業+選択授業」を履修し120単位取得を目指すのがカナダの大学ということですね。学生が授業を選ぶ際は、各学部の必修授業がなにかをきちんと把握することが大事です。なぜなら、それらの規定は各学部で全く違うからです!この説明だけだといまいちピンと来ないと思うので、実際の例を見ていきましょう。今回参考にするものは、私の出身大学の Bachelor of Business Administration(バチェラー オブ ビジネス アドミニストレーション=ビジネス学部)と Bachelor of Arts(バチェラー オブ アーツ=文学部)の規定です。規定は私の大学では「Guideline / ガイドライン」と呼ばれていたので、以後はこれをガイドラインと書きますね。


◯ ガイドラインを見る前に ◯
・カナダの大学は公立(Public / パブリック)と私立(Private / プライベート)があります。大学数は全国で223校、公立はその内96校です。※2021年時点
・公立校は全て総合大学です。
・私の出身校は公立です。公立校のガイドラインはある程度似ていると思いますが、大学により違いはあるのであくまで参考としてご覧ください。


ビジネス学部のガイドライン
Year1 秋学期 Year1 冬学期
ENGL1100 or 1120 or 1140 or 1210 CMNS1290: Introduction to Professional Writing
MNGT1710: Introduction to Business PHIL1110: Introduction to Critical Thinking
ECON1900: Principles of Microeconomics ECON1950: Principles of Macroeconomics
MATH1070: Math for Business and Economics MATH1170: Calculus for Business and Economics
Elective- Social Science or Humanities ORGB2810: Organizational Behavior

Year 2 秋学期 Year 2 冬学期
ACCT2210: Financial Accounting ACCT2250: Management Accounting
MIST2610: Management Information Systems MKTG2430: Introduction to Marketing
ECON2320: Economics and Business Statistics FNCE2120: Financial Management
BLAW2910: Commercial Law HRMN2820: Human Resource Management
Elective- Social Science or Humanities ECON2320: Economics and Business Statistics 2


文学部のガイドライン
授業の選択肢 授業数
ENGL1100、1110、1120、1140、1210 左から2つ
Archaeology1110、2010
Computing Science
Mathematics
Philosophy2220、2400
Physical Geography1000、2020、2050、2700、2750
Science: Astronomy、Biology、Chemistry、Geology、Forestry、Natural Resource Science、Agricultural Science、Physics
Statistics: STAT1200、2000、Biology3000、Economics2320 or Phycology2100
左から3つ
Anthropology、Archaeology、Chinese、Communications、Economics、 English、Film、First Nations Language、French、Geography、German、 History、Japanese、Journalism、Linguistics、Mathematics、Music、 Philosophy、Political Studies、Psychology、Sociology、Spanish、Speech、 Theatre、Visual Arts 左の科目から4つ選び、それぞれで1000 / 2000のタイトルの授業を受講
Humanities: Chinese、Communications、English Literature、First Nations Language、French、German、History、Japanese、Journalism、Linguistics、Modern Languages、Philosophy、Spanish、Speech
Social Sciences: Anthropology、Archaeology、Economics、Geography、Political Studies、Psychology、Sociology
Creative & Performing Arts: Creative Writing、Film、Visual Arts、Music、Theatre
左の3つのカテゴリーから2つ選び、その中の科目から 1000 / 2000 のタイトルの授業を受講
Second (or Third) Language Requirement 母国語(留学生の場合は母国語&英語)以外の言語授業を2つ
Writing Intensive Requirement 1000 / 2000 のタイトルの授業で「Writing Intensive」リストに指定されている授業を2つ


いかがでしょうか?同じ大学のガイドラインなのに、学部が違うだけで内容もまるきり違いますよね!それでは、次の章からはガイドラインの内容を見ていきましょう。

2、授業番号とYearの関係

2、授業番号とYearの関係

前回のコラムでカナダの大学に学年のコンセプトがないこと、1年で30単位を取れば4年で学士号が得られることを書きました。カナダの大学は単位制かつ学期制ですが、秋学期と冬学期の2学期間を「Academic Year = アカデミックイヤー」と表現することがあります。また、このアカデミックイヤー1年目を「Year 1」、2年目を「Year 2」、3年目を「Year 3」、4年目を「Year 4」と呼ぶこともあります。(※Year ≠ 学年 ←とても大事なので混同しないように注意です。)

大学生活でYearを意識することはほとんどありませんでしたが、ではなぜここでYearの話をしたかというと、授業のタイトルにYearを元にした数字が含まれているからです。前章のガイドライン内にも、1000や2000番台の授業がずらっと並んでいましたよね。授業の番号は1000から4000番台まであり、4000番台が一番難易度の高いクラスです。この授業の数字は Yearの数字に呼応しています。(Year 1の1→1000、Year 2の2→2000、Year 3の3→3000、Year 4の4→4000)

ここで、きっと読者さまはこのような疑問を持たれたのではないでしょうか?「では、1000番台の授業はYear 1で、2000番台の授業はYear 2で受講するのが決まりなのだろうか」と。実は、私は大学入学直後はYearを学年だと認識してしまっていました。そのため、Year1で1000番台の、Year 2で2000番台の授業を履修するのだと信じていました。ですがそれは間違いで、Year 1であっても2000番台の授業を選べますし、逆にYear 4で1000番台の授業を選ぶこともあります。実際にビジネス学部のガイドラインでは、Year 1冬学期で2000番台の授業が指定されていますよね。Yearを学年だと捉えてしまうと、私のような思い違いをしてしまいます。Yearは2学期をまとめて呼ぶ際の名称に過ぎないので、決して惑わされないでくださいね!

さて、では新入生はいきなり3000や4000番台の授業を受講できるのでしょうか?それは「いいえ」です。先ほど書いた通り、授業の難易度は1000から4000番台にかけて上がっていきます。1000番台は基礎的な授業が多いですが、数字が上がるにつれてどんどん専門性が高く複雑な内容になります。また、3000と4000番台の授業を受講するためには、それらと関連する1000や2000番台の授業を修了していなければなりません。そのため、新入生はまずは1000や2000番台の授業を(最大)5つ選び、その学期のカリキュラムを作ります。ちなみに、10002000番台の授業は「Lower level / ローワーレベル」、,b>3000と4000番台の授業は「Upper level / アッパーレベル」とも呼ばれています。一概にはいえませんが、卒業に必要な120単位の内、大よそ60単位はLower levelで、残り60単位をUpper levelで取ると思っておくと分かりやすいですよ!

3、必修と選択授業

3、必修と選択授業

さて、学士号を取るためには、学生は各学部が定める要項を全てクリアしなければなりません。第1章のガイドラインを見てください。そこには「Requirement / リクワイヤメント」と「Elective / エレクティブ」という単語が書かれていますよね。Requirementは必修科目や授業のことを、Electiveは選択科目や授業のことを指します。学生は自分の所属する学部のガイドラインに沿って、まずは必修のものを受講します。

ビジネス学部生の場合は、表に書かれた18の授業はRequirementで必修のもの、Electiveは Social Scienceか Humanitiesの科目から2つの授業を好きに選んで受講します。ビジネス学部や、その他でいうとコンピューターサイエンス学部、法学部、看護学部、医学部など資格取得や特定のスキル取得を目指す学部は、学ばなければならないことがはっきりしていますよね。そのため、このような学部のガイドラインは必修授業がとても多いです。

それに対し文学部はどうでしょうか?ガイドラインを見ると「この中から選んでくださいね」という指定はあっても、その中からどの科目のどの授業を選ぶかは学生に委ねられています。文学部はRequirementがとても少ない学部だといえますよね。これはなぜなのでしょうか?答えは、文学部という学部の中には様々な科目があるからです。例えば、社会学、人類学、歴史学、英文学、精神学、哲学、政治学、言語学など。これは理学部も同じで、理学部の中には化学、生物学、物理学、数学、天然資源科学などの科目があります。文学部や理学部のように多数の科目が提供されている学部では、学生が選ぶ専門分野も様々なため、それに対応できるように全学部生必修の授業はあまり用意されていません。

今回書き出したガイドラインは、授業数からいうと大学生活の前半(60単位以下)までですよね。「後半のRequirementはどうなっているんだ〜」と気になっている読者さまも多いのではないでしょうか?実は各学部のガイドラインは前半までのものが多く、後半に関しては学部で提供されている専攻(Major / メジャー)と副専攻(Minor / マイナー)ごとに規定を確認しなければなりません。専攻と副専攻…、また新しい概念が出てきましたね!次の章では、この専攻と副専攻について説明します。より詳しい説明を書くために、ここからは私が在籍していた文学部のみを例にしますね。

4、学科、専攻と副専攻

4、学科、専攻と副専攻

まずは名称の確認です。学士号を取得するためのプログラムはBachelorプログラムと呼ばれていて、Bachelor of 〇〇となります。この〇〇の部分が学部に当たります。私はBachelor of Artsのため文学部ですね。そして次に日本だと学科がくると思いますが、カナダの大学ではこれはありません。学科の直訳で「Faculty / ファカルティー」や「Department / デパートメント」と呼ばれる概念はありますが、これは学生が属するものではなく教授が属するものです。前章で文学部の中には様々な科目があると書きました。その科目をFaculty of 〇〇やDepartment of 〇〇と呼び、教授たち自身がどこに属しているのかを示すときに使います。(例:私の大学の社会学の場合→ Faculty of Sociology 、Department of Sociology and Antholopologyという風に使われていました。)なので、FacultyDepartmentは大学内の組織を表す名称だと思ってもらうのが良いと思います。そして、このFacultyやDepartmentから提供されるものがMajorMinorです。(以後は統一してFacultyと書きますね。)

私の学士号は「Bachelor of Arts Degree, Major in Sociology, Minor in History」です。つまり、私は「文学部で社会学を専攻し、歴史学を副専攻」して卒業したことになります。カナダの大学におけるMajorとMinorは、日本の大学の学科に本質としては近いと思います。例えば、私は「Social inequality / 社会不平等」を研究題材にしていて、社会学と歴史学の授業はそれに関連するものを中心に受講し、論文もこのテーマで書きました。この「Social inequality」は私の研究分野であり、すなわち日本の大学だと「専攻」に当たります。日本の大学に倣って書くのであれば、私は「文学部の社会学科と歴史学科で、社会不平等を専攻」して卒業したといえるのではないでしょうか。しかし、カナダの大学では卒業証書や成績証明書などの公的書類には、MajorとMinorまでしか記載されません。そのため、MajorやMinorでなにを専門にして学んだかは記録に残らないのです(泣笑)。

さて、MajorとMinorですが、学生は Upper level の授業を履修する前にこれらを決めないといけません。具体的に言うと、私の大学の文学部の場合は、Major in 〇〇、Minor in 〇〇のタイトルで学士号を得るためには、Upper levelの授業をMajorで10クラス、Minorで6クラス履修しなければなりませんでした。私の場合だと、Upper levelの社会学の授業を10個、歴史学の授業を6個ということですね。これら16個の授業を選ぶ前に、まずは自分が所属したいMajorとMinorのFacultyスタッフ(教授が兼任していることもあります)に相談して、Facultyが定める規定を問題なく終えているかを確認してもらう必要があります。規定とは「各Facultyが定める特定の授業(Lower level)を履修しているか、それらの授業成績がFacultyが定める基準値以上か」などです。

文学部のガイドラインは第1章で見たとおり自由度が高いですよね。ですが、希望するMajorとMinorに入るにはFacultyの規定をクリアすることが条件なので、Lower levelの授業はMajorとMinorを意識して選ばなければなりません。また第2章で、Upper levelの授業の多くはその基礎となるLower levelの授業が必修だと書きましたよね。Facultyが定めるMajorとMinorに登録するための規定以外にも、Upper levelの授業はその1つ1つに特定の必修授業がある場合もあるため、かなり注意深く授業選びをする必要があります。

◯ 例 ◯

Facultyのガイドライン:Sociology Majorに登録する場合
必修→ SOCI1110、SOCI1210、STAT1200、SOCI2720、SOCI2000番台の授業で1つ
成績→ SOCI1110、SOCI1210、SOCI2720 は75%以上要
Sociology Major で卒業する場合の条件
Upper levelのSociologyクラスを最低10個履修、その内4授業は必修で社会学専攻の学生は全員受講。
Upper levelの授業の受講条件
SOCI3200を受講するには、それまでに45単位取り終えていること(分野問わず)
SOCI4221を受講するには、SCOI1111、SOCI1211が必修


Upper levelの授業1つ1つの条件は書き出したらキリがないので、例として2つ書いてみましたが、いかがでしたか?これらを授業カタログを見ながら学生1人で決めるのはとても大変ですよね。把握していなかったことが後から分かったりすると、それこそ時間と単位を無駄にしてしまいますし大ごとです!このようなことを防ぐため、各学部にはアカデミックアドバイザーがいます。授業を毎学期どういう組み合わせで受けるか、将来的にどのMajorとMinorで勉強したいかといったことは、全てアドバイザーと話し合って決めます。そうすることにより細かい規定の見落としも防げますし、Elective枠を選ぶ際も自分の興味ある分野に近い授業を提案してもらえます。

5、まとめ

以上、大学の授業の選び方やMajorとMinorについての説明でした!今回のコラムを読み、「カナダの大学の仕組みがよりよく分かった」「日本の大学とのシステムや名称の違いが理解できた」と思っていただければとても嬉しいです。
同じ大学の学生でも学部が違えば経験することも全く異なり、その内容はそれぞれが貴重でユニークです。「自分で自分の選択や勉強に責任を持ち、唯一無二な大学生活を送る」、これこそがカナダの大学生です!カナダの大学に少しでも興味が湧いた読者さまは、ぜひ下記より留学Thank you!(株式会社DEOW)さまへ問い合わせください。素敵な提案をたくさんもらえると思います。\(^-^)/


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このコラムの著者

らいちゅう

小学生でオーストラリア、高校生でカナダへ短期留学を経験。
18歳からはカナダの大学へ進学し、学生と社会人で6年滞在しました。
2019年に仏語を習得すべくフランス・アヌシーに留学。現在もフランスに住んでいます。
趣味はフィルム写真を撮ること、美術館巡り、旅行も好きです。(^▽^)/
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カナダ、アメリカ、フィジー、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピン、台湾、タイ、イギリス、フランス、ベルギー、イタリア、クロアチア、チェコ、スロバキア、ウクライナ、ポーランド、スイス、ギリシャ、モナコ公国、オーストリア、オランダ、モンテネグロ、ボスニアヘルツェゴビナ この著者の投稿一覧 >>

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