- 2019/03/04
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留学カウンセラー直伝!ニュージーランド高校留学のメリット・デメリット!
ニュージーランドはその豊かな自然と世界トップレベルの治安の良さや教育レベルから年々人気が高まっている留学先です。2018年に発表された世界平和度指数ランキングでは、世界で2番目に平和な国に選ばれ、同じランキングで日本はなんとNZを下回る9位でした。
ニュージーランドと日本は同じぐらいの広さですが、ニュージーランドの人口は約460万人と、日本の人口の約28分の1という少なさですので、自然豊かでのびのびと過ごせる環境が現地には広がっています。
近年注目が集まっているニュージーランドですが、特に高校留学に関しては日本からの留学生も年々増えており、非常にホットな留学先として高校留学を検討されている方も多いのではないのでしょうか。
ここでは私が実際に案内をしていた経験をもとにニュージーランド留学の詳細を紹介していきます。
ニュージーランド高校留学の特徴と魅力
ニュージーランドの高校には、日本の中学2年生相当から高校3年生相当までの生徒さんが在籍しているため、日本の高校に比べて幅広い学年が1つの学校に在籍しています。そのため、「ニュージーランドの高校」という表現には中学2年生~3年生も含まれます。
学校の種類は日本よりも少し多く、3タイプの学校が現地にあります。
タイプ1:公立校
現地にあるほとんどの高校が公立校となり、ニュージーランド人生徒の約85%が公立校に通っています。
タイプ2:私立校
共学よりも男子・女子校の数が多く、宿舎を提供している学校もあります。進学率が高い分、入学期基準も公立校より高めとなります。ニュージーランド人生徒の約5%が私立校に通っています。
タイプ3:公立校に移管した私立校
少し特殊なタイプですが、ニュージーランド教育省からの助成を受けている学校となります。宗教系の学校が多く、学校の特徴は私立校に近く進学率が高く審査基準も公立校より高くなります。ニュージーランド人生徒の約10%がこのタイプの学校に通っています。
異なる学校のタイプがありますが、ニュージーランドは国が定める留学生への生活保障(Code of Practice)という規定があり、留学生を受け入れる全ての学校がこの規定を遵守し留学生が充実した生活を送れるようにケアとサポートを提供しています。そのため、留学生を受け入れている学校には留学生への対応を専門で行う部門が設けられており学校の先生とは別に留学生対応スタッフが常駐しています。
留学生へのサポートは生活保障だけでなく、英語のサポートクラス(ESOL)も留学生を受け入れているほとんどの学校で提供しています。このため、英語力に自信がなくても多くの学校で入学を許可してくれて、英語のサポートクラスを提供してくれます。
これらの理由から公立校・私立校という違いでサポートに差が出るということはあまりなく、それぞれ異なるタイプの学校の大きな違いは、学校の教育方針や宗教的観念などになります。どのタイプの高校も全体の8~9割がニュージーランド人の生徒さんとなり、留学生ばかりが集まっているインターナショナルスクールなどはありませんので、現地の生徒さんと触れ合うことが出来ます。
日本の高校は高等学校と1つの名前で統一されていますが、ニュージーランドの高校は「セカンダリースクール」、「ハイスクール」、「カレッジ」、「グラマースクール」など名称も様々です。異なる名称が使われますが、全てニュージーランドの高校教育認定資格(NCEA)取得へ向けた授業を提供しています。
私立校などではNCEAの他に国際バカロレア(IB)やケンブリッジ試験のプログラムを提供している学校もあり、受講したい授業内容に応じて学校を選ぶ事も可能です。現地校での授業も非常に柔軟性があり、年間6-7教科を受講しますが、高校1年次から受講する教科を選ぶ事が出来、学年が上がるにつれて必須科目がどんどん少なくなります。
ニュージーランドの学校はその柔軟さを活かし、社会の変化に対応して常に新しい教育内容などを取り入れています。
最近では多くの学校が「Bring Your Own Device/BYOD」という生徒さんへご自身のノートパソコンをお持ちいただく案内をしており、PCを使った幅広い授業提供を行っています。
中にはビジネスの授業でパソコンを使ったりということもあります!授業だけでなく、豊かな自然を生かした課外活動も豊富に提供しており、「Outdoor Activity」という冬はスキーをしに行ったり、夏はカヤッキングやサーフィンをしたりと四季を通して様々なアクティビティを体験することも可能です。
ニュージーランド高校留学のメリット
この様に魅力たっぷりなニュージーランドの高校留学ですが、その多様性と柔軟性から他国の高校留学に比べても多くのメリットがあり、ここでは主なポイントを具体的にお伝えをしていきます。
・治安の良さ
まだ若い生徒さんを送り出す保護者さんなどは、現地での生活環境が非常に心配になると思います。ニュージーランドは先に記述した通り、治安が非常に良いため親御様も安心して送り出せる留学先であることは間違いありません。
・入学のしやすさ
進学に力を入れている私立校などを除いてはほとんどの学校で留学生のやる気を重視し、受け入れを行っています。
ニュージーランドで挑戦してみたい!留学をしてみたい!と生徒さんご本人が強く希望する気持ちに現地の学校も答えてくれます。
ESOLを提供していることもあり、英語力に自信がなくても入学が出来る学校が多くあります。
※卒業留学を目指される場合は英語力が重要になるのでご注意ください
・柔軟な入学時期
入学時期が年に1回しかない留学先が多い中、ニュージーランドの高校は年4学期制、そして1年間に入学できる時期が数回あります。
毎年1月末が新学期として1学期目が始まりますが、その後2学期、3学期頃まで入学を受け付けてくれている学校がほとんどです。日本の中学を卒業されてから行かれる方などは3月まで日本にいるケースが多いため、2学期目から入学される方も少なくありません。
4学期目の入学に関しては、NCEAの試験が年末に行われるため通常の授業が提供されないこともあり入学が出来ない・お勧めしない学校が多くなるので、1-3学期の間で入学を決めていくことが理想的となります。
・幅広い教科選択
多くの教科提供を学校からしており、日本の高校では受講できない教科などがあります。
例えば、経営・観光・演劇・野外教育(アウトドアエデュケーション)・自家用パイロットなどの教科は非常にユニークな内容となっています。
選択できる教科は高校1年次から学年が上がるにつれて増えていきますが、最初は英語力を身に付ける必要のある生徒さんも多々おられますので、留学時最初の教科選択は学校の先生からアドバイスをもらいながら決めていくケースが多いです。また日本語の授業を提供している学校も現地に沢山あり、なんと日本人の生徒さんも参加が出来るので、日本に興味のある生徒さんと仲良くなるチャンスもあります。
・フレンドリーな留学費用
他の国への高校留学に比べてニュージーランドの高校留学は費用が安めと言われています。
授業料の設定は学校により異なりますが、一般的な公立校へ1年間留学をした場合、費用は入学金・授業料・滞在費用(ホームステイ)・食費(1日3食)を含めて約200万円~250万円前後程になります。
※私立校などは約2倍の費用がかかります
・柔軟な学年の調整
現地の高校は学年の設定も柔軟に対応してくれるケースが多く、例えば中学卒業後の高校生活をニュージーランドにて、高校卒業認定資格のNCEAを取得目指すという方の中には英語力の準備や現地での生活になれるため、中学卒業後すぐに高校1年生としてニュージーランドの高校に入学するのではなく、現地の中学3年生レベルに入学をされるという選択をされるケースもあります。
現地の高校には中学2年相当の学年から入学が出来るため、中学3年次を修了した後に学校を変更する必要がないのもメリットの一つです。
学年を下げるだけでなく、高校3年間の留学中などに優秀な成績を収めている方は飛び級をすることも可能です。
また、3年間の留学でNCEAの取得を目指していただけれど取得が3年間で取得が難しいという場合は在籍期間を延長することも出来ます。
・休学留学や認定留学のしやすさ
現地の高校では1学期間(約3ヶ月)や1年間の留学も受け入れをしてくれています。日本の高校の休学や認定留学制度を使って卒業ではなく中長期の留学を希望している生徒さんの受け入れも現地校では多く行っています。
ニュージーランド高校留学を検討するにあたり気を付けておくべきポイント
留学先として安心して滞在できるだけではなく、留学生の受け入れもしっかり確立されているニュージーランドは、高校留学をご検討される方にとって非常に大きな選択肢の一つかと思います。
ここまでニュージーランド高校留学の魅力やメリットをお伝えしてきましたが、もちろんどの国への留学も日本での生活や教育システムとは大きく異なりますので注意すべき点があります。
ここからはニュージーランドへの高校留学をご検討されている皆様に是非事前にご確認いただきたい、注意すべき点をいくつか挙げていきます。
・自主性の大切さ
様々な環境からご留学される方を寛容に受け入れてくれるニュージーランドですが、留学生は全て受け身のまま手取り足取り学校が対応をしてくれるというわけではありません。
先に記述した通り、現地の高校は留学生のやる気を重視します。
学校には必ず留学生をサポートするスタッフさんが常に生徒さんからの相談や困ったときに対応が出来るように在籍していますが、それは常にスタッフさんが付きっきりで対応してくれるわけではありません。
現地の学校は日本と違い管理をするという認識がそこまで強くなく、生徒さんが伸び伸びと勉強出来るようサポートを提供してくれています。
そのため、何か問題があった場合は常に生徒さんから率先してスタッフさんへ話していくという事が非常に重要です。
自分の中に溜め込んでしまうと向こうも分からないまま時間が過ぎストレスも溜まってしまうので何か気になる事がある場合は早いうちに相談するようにしましょう。
留学中は明確な目標を生徒さん1人1人が認識し、目標に向かって自主的に留学生活を過ごしていく、また日本にいるご家族が頻繁に現地で留学をされているお子様と連絡を取り合う事も大事なポイントとなります。
・自主性の大切さ
1学期~1年間のニュージーランド高校留学は、終了後に日本の高校に復学をするので、現地では主に英語力の向上やニュージーランドの高校生活を体験したいという方が多く留学のハードルもそこまで高くありません。しかし、現地での高校卒業を目指す1年以上の留学などの場合、現地の単位の仕組みやNCEAを良く理解しないままでいると卒業までは非常に長い道のりになってしまうことがあるので注意が必要です。
現地の高校は年に6-7教科を選択し授業を受講し、NCEA(高校教育認定資格)は高校1年次からレベル1、2、3と学年に合わせてレベルが上がり、それぞれの学年の認定資格を得るには年に80単位の取得が必要となります。単位の仕組みも非常に柔軟で、取得した80単位のうち20単位を翌年に移行することが出来ます。
そのため、留学最初の年に80単位を取得しておければ後は通常60単位の取得が出来れば問題ありませんが、ニュージーランドは入学できるタイミングがいくつかあるため、1学期目から80単位を取得していくことと2学期目から80単位を取得していくということは留学生にとって負担が大きく変わってきます。
この点に加え、現地の生徒さんが受けている教科を一緒に受けていく英語力が足りないと学校側が判断した場合は、英語のサポートクラスESOLを多く受けていただく様案内をする学校もあります。入学時の英語力によっては単位をすぐに取得していくことが難しい場合もあるのでこの点も注意が必要です。
毎年4学期目はNCEAの試験が行われますが、これはいわゆる全国統一試験のような形で選択している教科のテストを受けていきます。受けたテストの結果、NCEAが取得できているかどうかは1月中旬頃にオンライン上から確認することが出来、この結果をみて次にどのようにお勉強をしていくか決めていくことになります。
・卒業後の目標に合わせて注意が必要
高校の単位やNCEAについて確認をした次は卒業後の進路についても事前に確認をしておく必要があります。
ニュージーランドの高校を卒業後、多くの方が日本の大学へ帰国子女枠で出願されています。
日本の一般的な大学では、「海外の高校に最終学年を含む2年以上(または3年)在籍をしていたこと」と、「留学先の高校認定資格を取得していること」という出願要項を出しています。数は少ないですがいくつかの大学では「海外の高校に最終学年を含む2年以上(または3年)在籍をしていたこと」という案内のみの場合もあります。
NCEAを取得できていないから日本の大学へ進学が全く出来ないということではありませんが、幅広い選択肢を持っておくために現地校卒業を目指す場合はNCEAの重要性も事前に確かめておけるとより良い留学プラン作成につながります。
現地校卒業後にそのままニュージーランドの大学へ進学をするという選択肢も勿論ありますが、もしニュージーランドの大学へ進学を希望する場合、「University Entrance/大学進学に必要な受講教科」という仕組みもあるので確認が必要です。University Entranceとは現地大学進学時に入学要件を満たすことが出来る教科なのですが、現地の高校で選択する全ての教科がUniversity Entranceに認められている教科ではないので注意が必要です。
現地の高校は幅広い教科を提供しているので、現地大学進学を目指す場合は事前に学校へその旨伝えてUniversity Entranceとして認められている教科を取っていけるようにサポートしてもらう必要があります。
・日本の学校の在籍状況について
ご留学される方の中にはニュージーランドでの生活で上手くやっていけるか不安といった理由などから日本で在籍している学校に席を残してまずはニュージーランドへ留学してみるという方もいます。日本の学校に在籍をしていない状態でニュージーランドの高校にご入学され、合わずに帰ってきたとなってきた場合日本の学校に入学をすることが非常に難しい場合があります。過ごしやすいニュージーランドですが、現地での環境が万が一合わなかった場合に備えて日本の学校に在籍されている場合はまずは休学をして行けると安心かと思います。
・日本の学校の在籍状況について
ニュージーランドの9割近くの学校はホームステイのみの提供となります。イギリスなどで主流のボーディングスクールはニュージーランドでは全体の1割程になり滞在先の選択肢が限られてきます。
18歳未満の留学生に関しては、保護者1名がガーディアンとしてニュージーランドで一緒に滞在することもできるので、アパートでの滞在という選択肢もありますが学校でアパートの紹介などをしていないので自己手配となります。
ニュージーランドの方はおおらかで非常にフレンドリーという特徴がありますが、中にはホームステイ先のホストファミリーと合わなくてトラブルが起こるケースもあります。多くの場合がコミュニケーション不足による勘違いなどになるのでホームステイ先で何か気になる事などが出てきた場合は、我慢をしないですぐに学校へ伝えていけるよう心がけていく必要があります。これはホームステイに限らず、現地生活のなかでコミュニケーションを取るということは非常に重要になります。
まとめ
ここではニュージーランドへの高校留学の魅力・メリットと気を付けておくべきポイントについてお伝えをさせていただきました。
現地の穏やかで安心して滞在できる環境やしっかりと確立されている留学生受け入れ制度などからニュージーランドが留学生にとって非常にフレンドリーな国であることは間違いありません。
環境を変えてチャレンジしてみたいという方にも、日本の高校とは異なる柔軟な教育環境で挑戦できる場をニュージーランドの高校は提供してくれています。
長期的な卒業留学などを目指している方などは、高校の単位やNCEAについて事前に理解や注意をしていただき、卒業後のおおまかな進路について確認をとって留学のプランを立てていければ、とても充実した留学生活を送ることが出来るでしょう。
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