• 2022/02/18
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【カナダで就活必勝法】現地の就活事情を、現地大卒の私がお伝えします!〜パート2〜就活編

皆さん、こんにちは!前回の記事では、カナダで就職を成功させるために在学中にどのような自分磨きをしておくと良いか、そのためのノウハウや準備についてお教えしました。それらを踏まえて、今回の記事では実際の就活の手順について書かせていただきます!就活するに当たり、まず何をしなければならないのかといった就活の流れや履歴書の攻略方法、求人の見つけ方や面接必勝の心得といった細かなことまで、カナダの就活の実情を私の実体験と共に説明させていただきます☆

1、就労ビザをゲットする

1、就労ビザをゲットする

◆ Post Graduation Work Permit について

当たり前ですが、就労ビザがないとカナダで合法的に働くことはできません…!ワーキングホリデービザを使って渡加されている方はそのまますぐに就活に入れますが、学生ビザで滞在されている方はそのままでは就活に進めません。では、どうするかというと、Post Graduation Work Permit(通称:ポスグラ)と呼ばれる就労ビザを申請します。

ポスグラビザは、カナダ政府認定のカレッジと大学(Designated Learning Institutions)で8ヶ月以上のプログラムを修了すれば誰でも申請できます。ほとんどの公立校のプログラム、また私立校でもBachelor(学士号)以上のプログラムの場合認定されていることが多いです。カナダで就活する場合、このポスグラビザの有効期間がどのくらいなのかがとても重要です。というのも、ポスグラビザは修了したプログラムの受講期間によって発行される有効期間が異なるのです。8ヶ月以上2年未満のプログラムを修了した場合はプログラム期間と同じ期間分のビザが、2年以上のプログラムを修了した場合は3年間のビザが発行されます。(4年制、6年制のプログラムを修了しても貰える期間は3年です。)

※ ビザ申請の条件や規定はカナダ政府の法律に則ります。これらは予告なしに変更なることもありますので、最新の情報は常にカナダ政府の公式サイトにてご確認くださいね。

◆ 3年間のポスグラビザの重要性

留学生である私達がカナダで就活する際、ライバルとなる他志願者はもちろんカナダ人です。ビザの心配がない彼らと違い、外国人である私達には「ビザの期間がいつまでなのか」という問題が常に付き纏います。企業も雇う人材には長く働いてもらいたいと思っています。そのため、ビザ期間は職を得るに当たりとても大事なポイントです。3年間のポスグラビザは留学生が持ち得る最長の就労ビザなので、就活時に企業に対して強いアピールになりますし、就労先の職種の制限がなくカナダ全土で働けます。つまり、カナダで本格的な就活をしたいのであれば、3年間のポスグラビザを持っていることは必須なのです!

ポスグラビザはプログラム修了を証明する証書や成績証明書が発行されてから90日以内にオンライン上で申請できます。また、申請時に有効な学生ビザを持っていることも条件です。学生ビザはプログラム終了日+数ヶ月の期間で余裕を持って発行されていることが多いです。なので、ポスグラビザに切り替え申請するに当たり学生ビザの有効期限は問題にならないことがほとんどだと思いますが、これから申請をお考えの方は念の為確認をしておきましょう。

◆ ポスグラビザ申請中の就活

さて、前回のパート1でご説明しましたが、カナダの就活では内定という概念も新卒の一斉雇用という概念もありません。出ている求人に応募し、採用されればすぐに働き出すのが基本のため、ポスグラビザ申請中に求人に応募することはおすすめしません。なぜかというと、ポスグラビザが実際にいつ手元に届くかが分からないためです。企業もポスグラビザがない状態の応募者は雇うことができませんし、では届くまで雇用を待ちますというのもカナダの雇用スタイルではありません。

ポスグラビザを申請できるのは、修了証書や成績証明書が発行されてから90日以内。そこから申請し実際に就労ビザが届くまでは数週間〜数ヶ月かかります。私の場合ですが、12月末に120単位を取り終え Bachelor のプログラムを終えました。修了証書と成績証明書が発行されたのは1月中旬でした。これらの原本受理後にポスグラビザを申請し、ビザ本体が郵送で届いたのは3月上旬でした。つまり、大学卒業後何もできない期間が丸2ヶ月もありました!

この期間はただひたすら待つだけで、大学も卒業してしまってやることがないし、かといって本格的な就活はできないし…。まるで世の中から置いていかれてしまったのではないかという不安な気持ちになり焦ってもいました。ですが、カナダで就活するのであれば、この空白期間は必ずできてしまうものだと割り切りました!その間に履歴書を作ったり、カバーレター(2で詳しくご説明します)を試し書きしたり、面接対策をしたりといった、来る日のためにできる備えをたくさんしました。ポスグラビザが届くまでは試練の時ですが、その間も自分を高めることを忘れずに、ビザが届いたらすぐ求人に応募できるように準備しておきましょうね☆

2、いざ、就活【履歴書編】

2、いざ、就活【履歴書編】

カナダの就活はまず企業に自分の履歴書を送ることから始まります。カナダの履歴書は2部構成です。1部はカバーレターと呼ばれるもので、自分の適性や企業への志望動機などを1枚に綴ったものを作ります。そして2部はいわゆる履歴書で、自分の個人情報や学歴・職歴といったものを綴ったものです。履歴書はResume(レジュメ)やCV(シービー)と呼ばれます。企業へ履歴書を送る時は必ずカバーレターとResumeをセットにします。

◆カバーレター

A4フォーマット1枚で作ります。レターには、簡単な自己紹介と応募するポジションに自分がいかに相応しい人材なのかをアピールする文章を書きます。カバーレターは決まった型がないため思い思いに自由に書けますが、自分の魅力を伝えるためにいくつかのポイントを押さえましょう!

1、 応募するポジションに対して、自分が役立つスキルを持っていることを書く
2、 応募するポジションに対して、自分が最適な人材であることを理由を明確にして書く
3、 過去の勉学や職で得た経験やスキルが、応募するポジションでどのように活きるかを書く
4、企業について自分の知っていることを書き、それらについて感じたことや感銘を受けたことを書く

カバーレターはResumeの補足のようなものと思ってもらうと良いです。学歴や職歴のただの箇条書きでは分からない細部、例えば、何を経験しそこから何を学びそれをどう活かせるのかといったことをカバーレターでは掘り下げて説明します。それらの経験が応募するポジションにどうプラスに働くのかを熱く書きましょう!そこから、自分の能力や適性、性格といったものが、応募する企業の社風・プロジェクト理念にも合っていて、だからこそ、そのポジションで働きたいんだという熱意を書ければ、カバーレターとしては二重丸なのではないでしょうか。

カバーレターは応募するポジション毎に書くため、志願数が多くなればなるほどその都度書かなくてはならず大変な作業です。しかしながら、同じポジションや似た業種を攻めていく場合はアピールするスキルや能力も似てきますので、ある程度の枚数を書いたら使いまわしても良いと思います。私は就活中50社ほどに履歴書を送りましたが、カバーレターも微修正のみで割と使い回してました(笑)。なので、難しく考えず、型となる初めのカバーレターを何パターンか作ったら、後は手直し程度で乗り切っちゃいましょう!

◆ Resume

ResumeもA4フォーマットで書きますが、枚数は1枚ではありません。こちらもカバーレターと同様で自由表記ですが、魅力的なResumeを作るためにはいくつかのポイントを押さえねばならず、それに則り書き進めると通常2枚程になります。一般的なResumeは以下7つの項目で作っていきます。A4用紙に上から順に、個人情報、資格(Highlight of Qualifications)、学歴(Education)、職歴(Work Experience)、その他(Community Involvement)、賞(Awards)、推薦(References / Recommendation)です。全てを書かなければいけないわけではなく、例えば Community Involvement や Awards に書けるものがなければそれらの項目は省いて大丈夫です。

【 個人情報 】
名前、住所、電話番号、メールアドレスを書きます。生年月日や性別、顔写真は不要です。
メールアドレスは「myname@email.com」など、真面目な字面のものを書きましょう。もしそのようなアドレスを持っていない場合は新規に作ると良いです。

【 Highlight of Qualifications 】
自分の持っている資格や能力、性格といったことを短文で箇条書きにします。例えば、私の履歴書だと「〇〇大学で〇〇学位を取った」「日本語と英語を話せる」「〇〇のコンピュータースキルを持っている」「〇〇の能力に長けている」「前上司(アルバイト、インターンシップやボランティア先の上司で可)は私の〇〇を評価していた」といったことを書いています。この項目では単純に持っている資格だけでなく「私という人間がどういう能力の持ち主なのか」もアピールできます。短く簡潔に、且つインパクトのある文章を書きましょう!

【 Education 】
学歴を日付の新しい順に書きます。ここでいう学歴とは高卒以上です。従ってカレッジや大学、大学院で受講したプログラムのみを書きます。大学やカレッジ付属の語学学校を卒業している方はその情報も書いておくと良いです。学校名、学部名、学科名、学校所在地の都市名、プログラム在籍期間( 例: September 2017 - April 2021 )を書き、それ以外の情報は不要です。

【 Work Experience 】
新卒の場合きちんとした職歴は書けませんので、アルバイトの職歴を書きます。もしアルバイトの経験が2つ以上ある場合は書くものを厳選します。応募するポジションの仕事内容に通ずるスキルや能力を活かした職を書き、企業が求める社会経験があることを匂わせましょう。ここでは、ポジション、会社名、会社所在地の都市名、在籍期間( 例: September 2019 - January 2021 や September 2019 - Current )の他、箇条書きでそのポジションで任されていたことや経験したこと、必要とされたスキルなどを書きます。人事担当者に読んでもらうのが前提のため、彼らに響くキャッチー且つインパクトの強い短文を考えましょう。ここで書いたことを膨らまし広げるような文章をカバーレターで書くため、その繋がりを意識して文章を作りましょうね!

【 Community Involvement 】
ボランティア経験や学内でのクラブ活動経験などを書きます。ここでも職歴欄と同じように、その活動内で行ったことやそのために必要だったスキルや能力のことを箇条書きでまとめます。ポジション名(クラブだとクラブ名)、学校名(クラブだと所属組織名 例: Student Union、Faculty of 〇〇 など )、組織所在地の都市名、所属期間を書き、その下に箇条書きで文章を書きましょう。

【 Awards 】
在学中に何か賞を取った場合や成績優秀者名簿(Dean’s List)に名前が載った場合は、それらのタイトルと受賞年の情報を書きます。

【 References / Recommendation 】
パート1でご説明したように、Resumeには自分のことを推薦してくれる方の情報を書かなければなりません。ただし、Resume内に推薦してくれる方の個人情報を書いてしまうと何十社という企業に彼らの連絡先が渡ってしまうため、ここでは通常「Available upon request」と書き、企業が求める場合情報を渡しますという風にします。プロフェッショナルな企業であればある程、推薦してくれる方へ企業からの連絡が入ったり、彼らが書いてくれる Recommendation Letter の提示を求められることは多いです。References / Recommendation を求められたらすぐに企業に渡せるように、推薦してくれる方の個人情報や連絡先一覧は別のドキュメントにまとめておきましょう。

履歴書はカバーレターを最初にして、その後ろに,b>Resumeをくっつけて1つのPDFファイルにまとめたものを企業に送ります。カナダの履歴書は日本の履歴書に比べるととても複雑で作るのも面倒ですが、その分紙面上でしっかりと自己アピールができるので、良い履歴書を作れば面接にたどり着ける確率もその分高まります!何度も作り直しをし納得のいくものを書き上げてくださいね☆

3、いざ、就活【職探し編】

3、いざ、就活【職探し編】

求人募集をどうやって見つけるのか…。ここが皆さんが一番謎な部分だと思いますが、カナダの職探しは至ってシンプルです!ずばり、多くの場合は求人サイトで見つけます。政府のサイト Government of Canada には職探しに役立つリンクがたくさんありますし、民間でも Glassdor CanadaIndeedMonsterJobillicoといった求人紹介サイトが多数あります。また家探しをする際などによく使う情報サイトのCraigslistKijijiなどにも求人欄があるので、そういったものを見て自分の希望に合った職を探します。トロントやバンクーバーなどの大都市で就職を考えているのであれば、日系の人材紹介会社を利用するのもアイディアの1つだと思います。現地にオフィスを構える日系企業の職を中心に紹介してもらえるので、登録しておくと思わぬポジションの提案があるかもしれません!

また、北米では「LinkedIn」と呼ばれるビジネス版フェイスブックも盛んに利用されています。LinkedInでアカウントを作るとLinkedIn上で公開できる履歴書が作れるのですが、なんとLinkedIn上の履歴書を企業の人事担当者は頻繁に見ているのです!募集しているポジションに当てはまる人材がいる場合は、LinkedIn内で企業からメッセージを直接もらえることもあります。また、履歴書受理後に応募者のLinkedInを企業の担当者が見ることも良くありますので、就活する際は必ずLinkedInも作り込みましょう☆

4、いざ、就活【面接編】

4、いざ、就活【面接編】

履歴書が通ると次のステップは面接です。面接は、企業によってはまずは電話面接をして、それが通れば対面の面接に進む場合もありますし、いきなり対面の面接を求められることもあります。これは企業によって様々なので、その都度企業側と確認していきましょう。面接の内容は知識を試されたり筆記テストをされたりといったことはなく、ほとんどの場合は面接官との質疑応答で進んでいきます。自分の考えをはっきり言うことが求められますので、緊張せずに相手に意見を伝えられるようにしましょう。

私は面接前はイメージトレーニングを行いました。トレーニングは必ず鏡の前で行い、鏡に映る自分の目を見ながら実際に話し、話しているときの自分の仕草や目線の運びなどが客観的に見るとどのような印象になるのかを検証しました。このトレーニングをすることで、私は自分が話している時の仕草や態度があまり堂々としていないことに気が付きました。そして、面接慣れしている堂々とした態度を面接官に見せられるように、テレビキャスターの仕草や目線の運び方などを参考にし、鏡の前でひたすら練習しました。また、この練習時の1人会話は「面接でよく聞かれる質問」などとネットで検索したものを参考にしました。この1人会話は、いざ面接となった際に緊張で言い淀んでしまったり文法を間違えたりしないための訓練にもなりました。せっかくの面接の機会、英語の些細なミスが理由で不採用になってしまったら悔やんでも悔やみきれません…!そうならないように、1人でもできるこの鏡訓練、ぜひやって見てください☆

カナダの面接に決まった服装の規定はありません。一般的にオフィスカジュアルといわれる格好で問題なく、日本のようにリクルートスーツで髪もまとめて…というのは不要です。ただし清潔感は必要なので、例えばロングヘアの方でオフィスカジュアルな服装に対して髪が広がりすぎている、なんてことがあれば緩くまとめたりする意識は大事だと思います。鞄もリュックサックやトートバックといったカジュアルなもので大丈夫ですが、全体的にみて初対面の方に好感を持ってもらえる装いなのかを意識してみてくださいね。

5、まとめ

5、まとめ

以上、カナダの就活についてまとめてみましたが、いかがでしたか?カナダでは求人に応募する段階で企業が求めているスキルや能力がすでに備わっている人材であることが求められます。そのため、大学で学んだ分野や内容がそのまま職業に直結しますし、学生の間に経験したことがそのまま就活で強みになります。その分ごまかしも効きませんが、自分の学生生活をかけて次なるステップの就活に進んでいくというのが、自分のしてきたことの結果を見るようで好きでした。このような就活のため、人によって違う就活エピソードがあると思いますし就職までの難易度も違うと思いますが、人と比べられない就活だからこそ自分の価値や本質も曇りなく見える気がします。皆さんの就活に、この記事が少しでも役立つことを願っています☆

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このコラムの著者

らいちゅう

小学生でオーストラリア、高校生でカナダへ短期留学を経験。
18歳からはカナダの大学へ進学し、学生と社会人で6年滞在しました。
2019年に仏語を習得すべくフランス・アヌシーに留学。現在もフランスに住んでいます。
趣味はフィルム写真を撮ること、美術館巡り、旅行も好きです。(^▽^)/
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カナダ、アメリカ、フィジー、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピン、台湾、タイ、イギリス、フランス、ベルギー、イタリア、クロアチア、チェコ、スロバキア、ウクライナ、ポーランド、スイス、ギリシャ、モナコ公国、オーストリア、オランダ、モンテネグロ、ボスニアヘルツェゴビナ この著者の投稿一覧 >>

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