• 2017/07/07
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  • 留学準備

英語の国によるアクセント(訛り)が気になる人に一言

しばしば留学前の相談者から、「私が行きたい国は英語のアクセント(訛り)が強いからやめたほうがいいよと友人に言われたのですが、実際、どうなんでしょうか?」という類の質問を頂くことがあります。留学前の方であれば、こう言われてしまったら迷ってしまうかもしれませんね。

実際に外国語を自由自在に操れる人には関係ない!

実際に外国語を自由自在に操れる人には関係ない!

まずこの件に関して前提として申し上げておきたいことがあります。
それは、実際に外国語を自由自在に操れる人は、相手の話すアクセント(訛り)については、あまり気にしていないということです。

なぜなら、彼らは言語はコミュニケーションの一つの手段だと認識しているからです。アクセントよりも、むしろ話す内容や中身を重視しているんですね。さらにいうと、その話された内容から、その相手の考え方や価値観などを理解しようとしているのです。

英語圏の人からすると少し異なる。

どのように異なるかというと、アメリカ人に聞けば、「アメリカ英語が一番だ」というでしょうし、イギリス人に聞けば、「どうして英語を学ぶのにアメリカで学ぶのか?」と言うかもしれません。

理由は、自分の国に誇りと愛着を持っているからです。ある意味、当然なのかもしれません。

アクセントは重要ではない!

アクセントは重要ではない!

ところが、英語を母国語しない国の人達が、「アメリカ英語は良くない」、とか「イギリス英語は良くない」。「オーストラリアは・・」、「ニュージーランドなんて」などと言うとしたら、お門違いです。

まずは、英語のアクセントがどうの、というよりも、自分が言いたいことを自由に表現できて、相手の言っている内容を理解できるようにすることのほうがもっと重要なのです。

実際に、英語を習得するという意味においては、どこの英語圏で英語を学ぼうが大きな違いになることはありません。学んだ国を問わず、留学後に、その国で習得した語学力を十分に生かして、現在活躍している方は大勢いるのですから。そのような方から、国のアクセント(訛り)がマイナスになるなどという報告は、これまで一度も聞いたことがありません。

ジャパニーズ イングリッシュ

ジャパニーズ イングリッシュ

これに関連した話で、SONYの創設者の一人である、故・盛田氏のエピソードがあります。盛田氏の英語は、ジャパニーズ・イングリッシュだったそうです。しかし、言葉遣い、表現力の豊さなどがすばらしく、アメリカのビジネス界でも盛田氏の話す英語はとても評価が高かったのです。当時も英語をネイティブスピーカー並みに、流暢に話せる日本人ビジネスマンはいましたが、盛田氏は日本人のビジネスマンの中で、一番分りやすく、上手に英語を話すビジネスパースンとして絶賛されたほどです。

学生当時、そのことを知った私は、とても興味があり、盛田氏の英語スピーチのオーディオブックを何度も聴き、盛田氏の堂々とした英語表現力に感動した覚えがあります。しかし盛田氏の話す英語は日本人訛りのある発音であり、決してネイティブスピーカーのような発音ではありませんでした。当時の私が抱いていた英語観をガラッと変えてくれたことを懐かしく思い出します。

第二外国語としての英語

第二外国語としての英語

どんなに英語をネイティブ並のきれいな発音で話せても、話の中味がなかったり、表現や言葉使いが幼稚であれば、逆に教養のない人と思われてしまったり、相手に不快感を与えかねないという事実をもっと知るべきでしょう。特に海外では、その人の持つアイデンティティ、考え方、哲学のほうに重点が置かれます。ある意味、ベタなジャパニーズイングリッシュであったとしても、話の内容や表現がしっかりしていて、相手に伝わる英語を話せれば、英語圏の人達からすると、“第二外国語として英語を話せる教養のある日本人”だと見られるでしょう。

私達にとって、日本語以外の言語は、あくまでも第二外国語になるのですから、逆にそのこと自体を強みに変えてしまうくらいのほうが私は良いと確信しております。面白いことに、アクセント(訛り)を問わず、自分が外国語を自由自在に使えるようになると、アクセント(訛り)を気にするという発想が、いかに無意味なことだと気づくものです。

まとめ

これから留学をする人で、その国の言葉の訛りが理由で、悩んだり、迷ったりしている人は、そんなことはあまり気にせずに、自分の好きな国、勉強したい国で、一生懸命頑張ってください。そして、その国のアクセント(訛り)に 思う存分、ドップリ漬かってください。

大丈夫です。きっとあなたの英語を味わい深いものに変えてくれるはずです。そのことがあなたにとって、マイナスに作用することはありません。この先、自分が英語を流暢に話せるようになる頃には、もうアクセント(訛り)について気にする自分ではなくなっていることでしょう。そのときには、すでにあなたは、“言語はコミュニケーションの一つの手段である”ことを認識した、本物の国際派コミュニケーターになっている証拠です。

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このコラムの著者

あうとりがー

有限会社あうとりがー 代表取締役
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●国家資格 キャリアコンサルタント
●総合旅行業務取扱管理者

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。その後、留学生の出口である帰国後の就職・キャリア教育の重要性に着目し、2010年、留学生向け就職支援・研修会社にて留学生のキャリア支援にも携わる。その経験を生かし、現在、自社において、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。
 
これまで 留学生支援を開始以来、25年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリアコンサルティング・就職支援を行なう。
 現在、一般社団法人JAOS海外留学協議会【 Global ACE 】(厚生労働省委託事業)において全国のキャリアコンサルタント 31名をまとめるスーパーバイザー役を担当し、キャリアコンサルタントに対して、留学生に対峙する際の助言・指導を行っている。 この著者の投稿一覧 >>

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