- 2019/11/27
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ロンドンの地下鉄を大解剖! 料金や乗り方、特徴は?
世界中から多くの旅行者や留学生があつまるロンドン。ロンドンといえば何を思い浮かべますか? 有名なビッグベン? ロンドンブリッジ? 真っ赤な2階建てバス?
2階建てバスの陰に隠れがちですが、ロンドンに滞在するにあたって欠かせないもう一つの交通手段が“Tube”の愛称で知られる地下鉄です。ロンドン市内を網羅しているこの地下鉄もロンドンの魅力のひとつ。今回はそんなロンドンの地下鉄についてご紹介します。
ロンドンの地下鉄の概要
ロンドンの地下鉄は、世界最古の地下鉄として150年以上の歴史があります。1863年に開業し、その当時の路線の大部分が現在でも利用されています。そのため、街の建造物だけでなく、地下鉄からもロンドンの歴史を感じることができるのです。現在ではバスを含む他のロンドン市内の交通機関同様、ロンドン交通局(TfL)の傘下に入っており、共通の切符で利用可能です。全部で11路線と多いですが、東京ほど複雑ではないので観光客でも馴染みやすいでしょう。
路線によってはトンネルの直径が3.65mと非常に小さく、車両もそれに合わせて作られているので、日本の電車に慣れている方は最初はびっくりするかと思います。足を伸ばせば向こう側に座っている人に届いてしまうほどの狭さです! 天井も低く、日本人よりも背の高い現地の方が乗っているとさらに窮屈そうに見えます。ちなみに、“Tube”の愛称はチューブに似たこの筒形のトンネルの形に由来しているんですよ。古い駅になると、駅構内の通路も天井が低く狭いので、長身の方だと少し屈んで歩かなければ頭をぶつけてしまうほど。ホームへの階段が螺旋状になっている駅もあり、ヨーロッパの古い塔を上り下りしているような気分を味わうことができます!
料金の仕組み
ゾーン(Zone)制
料金が高いことで有名なロンドンの地下鉄ですが、料金体系はゾーン制になっています。中心部から郊外に行くにつれてZone1、2、3と数字が大きくなり、料金は移動距離ではなく、どのゾーンからどのゾーンまで移動したかによって変わります。また、ピークタイム(月~金曜日の6:30~9:30)かオフピークタイム(ピークタイム以外の時間帯と、土・日・祝日終日)かによっても料金が違うので注意が必要です。
先ほども述べましたがロンドンの地下鉄は料金が高いことで有名で、さらに毎年料金改定があり、料金は年々上がっています……。そのため、ロンドナー(ロンドンに住む人々の愛称)たちも地下鉄とバスをうまく組み合わせて通勤・通学しています。例えば、Zone1~3の通勤だと、Zone1~2の定期券を購入して、Zone2までバスで移動し(地下鉄の定期券を購入するとバスは乗り放題!)そこから地下鉄に乗り換えるなど。このように上手に地下鉄とバスを利用してお得に移動しましょう!
オイスターカード(Oyster Card)
ロンドンの地下鉄を利用するにあたって欠かせないものが、オイスターカードです。日本のSuicaのようなICカードで、駅の券売機で簡単に購入できます。トラベルカード(通常の切符)の半額の料金で地下鉄を利用できるので、観光客の方もおすすめです。購入時には5ポンドのデポジットが必要になり、使い方はSuica同様、カードに料金をTop-Upし(チャージすることをトップアップといいます)、その中から使った分だけ運賃が引かれていく仕組みです。駅の券売機だけでなく、オイスターカードの表示がある街中のコンビニやスーパーのたばこカウンターなどでも購入・Top-Upが可能なので、英語の勉強だと思ってあえて店頭を選ぶのもアリでしょう。このオイスターカード1枚で、地下鉄だけでなくバスやトラムなどロンドンのほとんどの交通機関が利用できます。さらに、オイスターカードは区間内ごとに1日の上限額が決まっていて、どれだけ利用してもそれ以上料金が追加されることがないので、Zone1~2間の移動だと6.80ポンドで乗り放題になります!
ちなみに日本でオイスターカードを購入することも可能です。こちらは「ビジター・オイスターカード」と呼ばれるもので、通常のオイスターカードとは違ってデポジットが3ポンドで、カード返却時にそちらの3ポンドは返金されない形になります。デザインもロンドンらしいデザインになっているので記念にもなりますし、ビジター・オイスターカードを提示することでロンドンのさまざまなレストランやショップなどでお得な割引やサービスを利用することができます。ただし、こちらはあくまでもビジター用のカードなので定期券の購入ができないということと、イギリスからの発送料が自己負担になるのでご注意を。もちろん、ビジター・オイスターカードも現地の券売機で購入することができますが、空港や大きな主要駅のみになります。よほどの理由がない限り、これから現地に行かれる方は現地到着後の購入で問題ないかと思います。
どのカードがお得なのか?
トラベルカードには、1日乗車券のような観光客向けのものもあります。また、オイスターカードの払い戻しは購入後48時間以降でないとできないので、ロンドンへの滞在が短い人にはおすすめしません。滞在期間によって購入すべきカードが変わってくるので、自分に合ったよりお得なカードを購入しましょう。
~1Dayトラベルカード~
ロンドンの交通機関1日乗り放題の紙の乗車券で、オイスターカードのようにデポジットも払い戻しもありませんので、1日のみの滞在の方におすすめです。
~7Dayトラベルカード~
こちらは7日間乗り放題の乗車券になります。紙の乗車券は事前オンライン購入のみとなっていて券売機での購入はできません。それ以外は現地で発券したオイスターカードに記憶させて1週間の定期券として利用できます。5日以上滞在し、連日地下鉄やバスを利用される方はこちらの7Dayトラベルカードがお得です。1日以上5日未満ロンドンに滞在される方は、オイスターカードを購入してそのつどTop-Upする方がお得になります。
Zone1~2:34.10ポンド
Zone1~6:62.30ポンド
有名な観光地や博物館・美術館などはほぼZone1に集まっているので、ロンドン観光の際は概ねZone1内の移動で済みます。しかし、滞在する場所も関わってくるので、それらを慮してよりお得なカードを購入するといいと思います。Zone1以外の主要観光スポットとしては、ウィンブルドン(Zone3)、ウィンブリー・スタジアム(Zone4)、キュー王立植物園(Zone6)、ハンプトン・コート宮殿(Zone6)、ヒースロー空港(Zone6)などがあります。
ロンドン地下鉄マップ
ロンドン地下鉄の路線
現在11路線が運行していて、それぞれ路線ごとに色分けされています。慣れてくると線の名前とともにその線の色がパッと頭の中に浮かぶようになると思います!さらに、もう1路線(エリザベス女王にちなんだその名も“エリザベス・ライン”)が2019年の開通に向け工事を進めています。それぞれの路線で車内の雰囲気やアナウンスが微妙に異なるので、そういった点に注目したらもっと地下鉄移動を楽しめるかと思います!
Bakerloo Line(ベイカールー線)茶色
Central Line(セントラル線)赤
Circle Line(サークル線)黄色
District Line(ディストリクト線)緑
Hammersmith & City Line(ハマースミス&シティ線)ピンク
Jubilee Line(ジュビリー線)灰色
Metropolitan Line(メトロポリタン線)マゼンダ(赤紫)
Northern Line(ノーザン線)黒
Piccadilly Line(ピカデリー線)青
Victoria Line(ヴィクトリア線)水色
Waterloo & City Line(ウォータールー&シティ線)ティール(青緑)
ロンドン地下鉄の主要な駅
・キングスクロス・セントパンクラス駅(King’s Cross St. Pancras)
地下鉄6路線の他に、国境を越えてフランス・ベルギーまで続くユーロスターやヒースロー・エクスプレスなどの旅客列車の発着駅でもあり、ロンドン最大の乗換駅として多くの人に利用されています。また、ケンブリッジやエディンバラ行きの列車の発着駅でもあります。映画「ハリー・ポッター」の9と3/4番線が撮影された駅としても有名ですよね。実際のホームには9と3/4番線は存在しないのですが、同駅にあるハリー・ポッターのキャラクターショップの隣に9と3/4番線を再現したフォトスポットがあり、観光客で賑わっています。
・パディントン駅(Paddington)
地下鉄4路線の他に、ヒースロー・エクスプレスや地方都市への長距離列車の発着駅でもあり、バースやブリストル、ウェールズ南部やオックスフォードへはここから列車が出ています。
児童文学作品「くまのパディントン」は彼がこのパディントン駅で見つけられたことに由来していて、駅構内にはくまのパディントンの銅像が設置されている他、キャラクターショップなどもあります。
・ヴィクトリア駅(Victoria)
地下鉄3路線の他、ガトウィック空港への直通列車であるガトウィック・エクスプレスや国内有数の海浜リゾート地であるブライトンへの列車の発着駅になっています。また、周辺にはヴィクトリア・コーチ(長距離バス)ステーションがあり、長距離バス客にも多く利用されています。
・ユーストン駅(Euston)
地下鉄2路線の他、マンチェスターやリヴァプール、イギリス湖水地方やグラスゴーへの鉄道列車の発着駅になっています。徒歩5分程のところにあるユーストン・スクエア駅は、名前が似ていますが全く別の駅になるので間違えないように注意が必要です。
・オックスフォードサーカス駅(Oxford Circus)
ロンドン中心地の2つのメインストリートである、オックスフォード・ストリートとリージェンツ・ストリートが交差するところにある駅で、その便利な立地から地下鉄のみ停車の駅の中では最多の乗降者数を誇ります。駅の地上出口を出るとすぐ大通りに面していて、いつもたくさんの人で賑わっています。
・ピカデリーサーカス駅(Piccadilly Circus)
ピカデリー線とベイカールー線の地下鉄2路線が発着する駅で、まさにロンドンのど真ん中ともいえる立地にあります。周辺には、ハイブランド店が立ち並び、美しい曲線が特徴のリージェンツ・ストリートや有名な劇場が軒を連ねるシャフツベリー・アベニューがあり、中華街やロンドンの老舗デパートであるリバティへのアクセスにも便利です。また、ジャパンセンターやジャパンブックス、辻利など日系のお店も多く点在しています。
ロンドン地下鉄の特徴
ストライキ
ロンドンの地下鉄といえばストライキというくらい、毎週末どこかしらの線でストライキが行われています。イギリスは労働組合の団結力が強く、賃金形態や人員削減に対する不満から職員がロンドン交通局に対して抗議のためにストライキを行うのです。そのたびにロンドン交通局側は話し合いに応じるのですが、職員側が納得しなかったり、そもそも交通局側が話し合いに応じなかったりした場合はストライキがそのまま決行されるので、特に大規模なストライキだとみんなそわそわします。
ストライキ中は別の路線やバスを利用しなければならず、駅構内も道路も大混雑します。事前にストライキの予告がされるので、常にホームページなどで情報をチェックしましょう。わたしも自分の普段使う路線のツイッターアカウントを常にチェックしてストライキに備えていました!
また、ロンドンの地下鉄は歴史が古いので、線路などの老朽化による改装工事がたびたび行われており、その間は運行がストップするのでこちらも注意が必要です。
ユニークな案内掲示板
駅構内で運行状況や緊急アナウンスなどを案内する掲示板をよく見かけるのですが、職員たちがユーモア溢れる素敵な書き込みをしていることが話題になっています。人生についてのポエムや、そのとき世間で騒がれている話題への皮肉(これがとてもイギリス人らしい)やクリスマスのメッセージなど。クスッと笑えたり、心温まるメッセージがほとんどなので、駅に降り立つついでにぜひ探してみてください。
ナイトチューブ(Night Tube)
2016年から週末の地下鉄24時間運行が開始されました。元々24時間運行のナイトバスがあり、終電を逃した際はバスを乗り継いでの帰宅が可能だったのですが、遠回りになってしまったり、特に女性に安全面での心配があったので、このNight Tubeを心待ちにしていた人も少なくないと思います!(地下鉄職員側による抗議のストライキの話もありましたが……)全路線に導入されているわけではなく、現在Night Tubeを運行している路線はセントラル線、ジュビリー線、ノーザン線、ピカデリー線、ビクトリア線の5つです。
また、Night Tubeではありませんが、大晦日の12月31日にNew Year’s Eve fireworks(年越しの花火)が開催されるにあたって、23:35~04:30までロンドンの交通機関が無料で乗り放題になります。
まとめ
ロンドンに滞在するにあたって地下鉄は非常に便利な交通手段です。バスと違って頻繁に行先を変更することもないですし(ロンドンのバスは乗車中に突然進路変更のアナウンスが流れて目的地に辿り着けなくなることもよくあります……)交通状況に左右されるストレスもありません。路線もシンプルで馴染み易いですし、それぞれの路線や駅によって雰囲気が違うので、単なる移動手段としてではなく、観光の一部として楽しみながら地下鉄に乗ってみるのもいいかもしれません。ぜひ、自分のお気に入りの路線や駅を探してみてください!
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