• 2017/08/08
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  • 留学準備

短期留学でも価値はあるの?

留学したいが、どうしてもスケジュール的なことや費用面の事情により、短期間しか
留学できない人もいると思います。そういった方々が気なることと言えば、やはり、
短期間で留学する意味があるかどうか、ではないでしょうか。

そこで今回は、短期留学の意味(価値)について述べてみたいと思います。まず前提として、ここで述べる短期留学とは、日本では夏休みや春休みなどを利用して参加できる1か月未満の留学とします。

最近ではさまざまな種類の短期留学プログラムが増えています。高校や大学主催の1か月程度の短期プログラムがあったり、長期留学する前に視察の意味で短期間で体験留学したり、忙しいビジネスパーソンが休暇を利用して参加可能な最短で1~2週間程度の留学プログラムなどさまざまです。

短期留学の価値とは?

短期留学の価値とは?

私は仕事柄、留学を検討中の方からよく相談を受けるのですが、短期留学に 関する質問の多くが 「1か月未満の留学で本当に留学する価値があるのか」という質問です。

あなたはどう思いますか? 私はこの質問に対しては、 「短期の留学が、意味があるか、価値を見出せるかどうかは、 『あなた自身』にしか決められません」という回答です。
ガッカリしましたか?しかし、これが一番正確な回答だと思います。

私がこれまで関わった留学生にバリ島に1か月留学した方(Aさん:会社を退職して参加)がいました。Aさんは、帰国後はキャリアチェンジをして英語を使えるホテルマンになりたいという希望を持っていたのです。その方は帰国後、見事キャリアチェンジに成功し、ホテルに入社することができました。

またある女性(Bさん)は、1か月間、ハワイに留学し、帰国後には見事に希望職であったブライダル業界に入社しています。

このように短期留学を利用して自分の望むキャリアをモノにするきっかけを作っている人はいるのです。もちろん、AさんもBさんも、ただ1か月間、何気に海外で過ごしたわけではありません。留学中に自分で課題を持って、望むキャリアを得るためのプランニングを立案し、実行していることは言うまでもありません。

しかし上記のお二人にとっては、短期留学であっても十分価値のあるものだと言えるでしょう。
実は、留学の意味や価値を見出せるかどうかは、留学する本人次第であって、必ずしも留学期間がそれを決めるのではありません。1~2週間の留学であっても、異文化体験や現地の人達の交流を通じ、自分の人生を変えてしまうような人の出会いや出来事があったり、何かしら勉強になったり、気づきを得られたとしたら、その人にとっては十分価値のある留学だったといえるでしょう。 ここでは、留学期間そのものが、価値の有無を決める『絶対条件』ではないということを述べておきたいと思います

Cさんが1週間留学で気づいたこと

Cさんが1週間留学で気づいたこと

次に、1週間留学をしたCさんのエピソードを紹介しましょう
Cさんは、会社に勤めており、どうしてもまとまった休暇が一週間しかとれない 状況でした。しかしせっかくのその貴重な期間を、自己投資してでも価値あるものにしようと短期留学を決意されました。

Cさんは、カナダへ語学研修付きのホームステイに参加されたのです。留学期間は1週間でした。Cさんの帰国後に、留学中に肌身で感じた“気づき”をたくさん報告してもらいました。

Cさんのお話の中で印象的だったことは、彼女は今回の留学では、伝えたい気持ちとわずかな単語を知っていれば、なんとかやっていける、ということがわかったというのです。結局コミュニケーションは、英語を話そうと意識するのではなく、相手とコミュニケーションをはかろうという「心」が大切だと気づいたそうです。但し、少し込み入った話になると、会話につまってしまい悔しい思いをしたようでした。そこで、「留学において、英語がつたなくても、人として多少の成長は出来るかもしれない。でも、英語が出来ればもっとその国や人を好きになるチャンスが増えるような気がします。勿体ないことをしました」と、留学前の英語学習の必要性を実感されたようです。これも留学体験者ならではの立派な“気づき”ですね。

人との出会いや出来事は留学期間とは無関係に起こる!

人との出会いや出来事は留学期間とは無関係に起こる!

話を戻しますが、質問者の「短期留学は価値があるのか?」という質問の裏には、「短期留学をしても、流暢(ペラペラ)にはなりませんよね?」という意味が含まれているでしょう。

その意味では、その通りです。短期留学で流暢に話せるようにはなれないでしょう。しかし、短期留学での体験が、その後の自分の人生において、 何らかの影響があり、それによって、自分のその後の行動に変化が生じたとしたら、その体験はとても意味や価値があると言っていいのではないでしょうか。

実際に短期留学中に、その後の自分の人生を変えてしまうほどの人との出会いや出来事はよくあることです。留学期間とは関係なく、それは起きてきます。機会があれば、短期留学中にそれを意図的に起こす方法についても述べてみたいと思います。

まとめ

いかがでしたか?
短期留学が、意味があるかどうかを決められるのは、“あなた自身”です。あなたがどんなことに留学の意味や価値を見出すかによります。それがイメージしにくいという人は、実際に短期留学をした経験者や留学カウンセラーに話を聞いてみることです。できれば数人に聞いてみることをお勧めします。

前述した3名の方のような様々な意見が聞けるでしょうし、短期留学を実際に体験した人たちの意見は、自分が留学する際の励みになったり、モチベーションアップに役立つでしょう。頑張ってください!

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このコラムの著者

あうとりがー

有限会社あうとりがー 代表取締役
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●国家資格 キャリアコンサルタント
●総合旅行業務取扱管理者

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。その後、留学生の出口である帰国後の就職・キャリア教育の重要性に着目し、2010年、留学生向け就職支援・研修会社にて留学生のキャリア支援にも携わる。その経験を生かし、現在、自社において、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。
 
これまで 留学生支援を開始以来、25年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリアコンサルティング・就職支援を行なう。
 現在、一般社団法人JAOS海外留学協議会【 Global ACE 】(厚生労働省委託事業)において全国のキャリアコンサルタント 31名をまとめるスーパーバイザー役を担当し、キャリアコンサルタントに対して、留学生に対峙する際の助言・指導を行っている。 この著者の投稿一覧 >>

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