• 2017/06/19
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  • 留学準備

留学の適齢期はあるのか?

 皆さん、はじめまして。キャリアコンサルタントの本橋幸夫と申します。
 私は現在、有限会社あうとりがーの代表として、国内では珍しく、留学生に特化した就職やキャリア支援をしております。具体的には、語学留学、ワーキングホリデー、海外インターンシップやボランティア、そして大学、大学院などの正規留学生など、これまでたくさんの留学生の就職支援に携わって参りました。また、私は「留学事業」と「キャリア教育」の二つの分野の専門家として、国のグローバル人材育成委託事業にも4年間、関わって参りました。

 このたび、こちらのコーナーにて、「留学xキャリア」についてのコラムを連載することになり、たいへん嬉しく思います。私のコラムでは、二つの分野の専門家という立場から、留学に対する考え方や、皆さんの留学を帰国後のキャリアや就活に役立つためのノウハウや情報などをたくさんお伝えしてきたいと思います。どうぞお楽しみに!

 まず第一回目は「留学の適齢期はあるのか?」です。さあ、早速始めたいと思います。

留学の適齢期

留学の適齢期

 いきなり質問させてください。 留学の適齢期はいつ頃だと思いますか? 一般的には、留学は年齢が若いほど適していると言われています。これは、年齢が若いほど吸収のスピードも速く、語学の上達が速いとか、思考が柔軟な分、外国の環境に溶け込みやすいといった理由によるものです。 たしかに、これらには“一理”あります。しかしそれはあくまでも“一理”に過ぎません。年齢が若いからといって必ずしも留学で成功するとはかぎらないわけです。留学の有効性と年齢は別問題なんです。  たとえば、『帰国子女は、小さいときから苦労せずに英語(英語圏の場合)を覚えられるから羨ましい!私も小学生くらいから海外で生活さえしていれば苦労もなく英語を話せたのに・・・』などと言う人がいます。しかし、これはとんでもない誤解です。意外に思うかもしれませんが、たとえ、小中学生の時から海外の学校へ留学したとしても、言葉の壁や環境に馴染めないことから精神的なダメージを受けて、登校拒否になってしまう生徒も少なくありません。そのため、途中帰国する生徒も実は多いのです。それだけではありません。留学中に、数年かけ言葉の習得や環境にある程度慣れることに成功し、何とか無事海外の学校を卒業できたとしても、今度は帰国後にも同じような問題に直面します。それは日本の壁です。日本語の読み書き能力の遅れや海外の学校との履修科目の違いによる学力の差、周りの生徒との人間関係など、留学当初のときと同じ問題に直面します。 要するに、たとえ年齢が若くとも、外国語を覚えたり、海外の環境に適応するのはそれなりにたいへんだ、ということです。留学前にこの事実をしっかり認識しておくことが大切です。このことは成人してからの留学ではなおさらです。これまで長い間、日本の環境や習慣にどっぷり浸かってきたのですから、当然、留学の初期の頃は、言葉を覚えるにしても環境に慣れるにしても苦労が伴うでしょう。

年齢は関係ない

年齢は関係ない

 このように年齢には関係なく、留学には苦労はつきものだと理解することが大切です。留学で成功するかどうかは結局本人次第なのです。年齢の問題ではありません。本人の努力と頑張りこそが成功のカギを握っているのです。若くして留学し成功する人もいれば、ある程度年齢が高くなってから留学して成功する人もいます。まずはこの事実をしっかり押さえて欲しいと思います。

留学で成功する“適齢期”

留学で成功する“適齢期”

 さて、ここで留学で成功する“適齢期”はいつか?という問いに戻ります。 ズバリ、それは『自分が留学したい!』と思った時で、なおかつ留学できる環境が整った時といえるでしょう。その時が、あなたにとっての留学する適齢期だと信じてください。ここでいう留学できる環境とは、資金面で問題がなく、現在の学校や会社関係などのしがらみがなく留学できることです。そのほかには、家族があなたの留学に賛成してくれたり、バックアップしてくれることも含まれます。  ですから、年齢を基準に判断するのではなく、あくまでも自分の心の声に耳を傾け、そのときの自分をとりまく環境から判断すればよいのです。

まとめ

 現在も私のもとに、留学に関する様々な相談が寄せられますが、その中でも年齢に関する相談が多く、しばしば社会人の方から「今、私は●歳ですから、留学する年齢ではないですよね?」と聞かれます。これは留学するかどうかを年齢だけで判断しているのですね。留学は誰のためでもありません。あなた自身の夢を実現するための手段です。そのために留学が必要だと判断したのなら、年齢は関係ありません。以前私がお世話させてもらった方で、52歳(女性)や74歳(男性)もいらっしゃいましたが、たいへん充実した留学を実現できたと大変満足されていました。  ちなみに、このような質問をする人に、私は次のようにアドバイスしております。 『留学の適齢期は、あなたしか決めることはできません』と。  繰り返しますが、「留学したい!」というエモーションと、留学できる環境が整ったときが、あなたにとっての留学適齢期だということを覚えておきましょう。

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留学時期(2) キャリアアップ(1) 適齢期(1)

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このコラムの著者

あうとりがー

有限会社あうとりがー 代表取締役
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●国家資格 キャリアコンサルタント
●総合旅行業務取扱管理者

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。その後、留学生の出口である帰国後の就職・キャリア教育の重要性に着目し、2010年、留学生向け就職支援・研修会社にて留学生のキャリア支援にも携わる。その経験を生かし、現在、自社において、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。
 
これまで 留学生支援を開始以来、25年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリアコンサルティング・就職支援を行なう。
 現在、一般社団法人JAOS海外留学協議会【 Global ACE 】(厚生労働省委託事業)において全国のキャリアコンサルタント 31名をまとめるスーパーバイザー役を担当し、キャリアコンサルタントに対して、留学生に対峙する際の助言・指導を行っている。 この著者の投稿一覧 >>

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