- 2017/10/17
- 5306view
- thanks!(3)
- 留学準備
留学先では『恥をかく人』ほど得をする?!
留学先で、実に多くの日本人留学生がぶつかってしまう壁があります。
それは、「恥をかきたくない!」という心の壁です。
そもそも私達は、苦痛を逃れたいという欲求がありますから、その感情はある意味、仕方ないのかもしれません。しかし、留学生にとっては、この感情を抱くことが原因で、自分が恥をかくリスク以上に、もっと大きなリスクを背負ってしまう可能性があるのです。
それは、「行動しないリスク」です。
今回は、留学先では、「恥をかく人ほど得をする」について述べたいと思います。
間違った英語を話すことは恥ずかしいこと?
「恥をかきたくない!」という心の壁は、具体的に、留学のどんな場面で
頻繁にぶつかるかというと、人と会話をする時が挙げられます。
英語圏の留学生であれば、
「恥ずかしい英語を話したくない!」
「カッコ悪い英語を話したくない!」
という壁です。
この感情はかなり大きな壁としてあなたの前に立ち塞がります。その原因として考えられるのは、私たちは学生のときから、英語は勉強科目の一つとして学んできたために、学校の定期試験などを通じて、英語は間違ってはいけないものという感情が強くインプットされてしまったからかもしれませんね。
つまり、英語を使う以上は、「間違い=恥ずかしいこと」というような負の感情が働くため、間違いのない、ちゃんとした英語を使わないといけない、という心のブレーキ、プレッシャーがかかってしまうことが考えられます。
実はこの壁が、あなたの語学力向上を確実に妨げてしまうのです。この感情が高じてしまうと、恥をかきたくないがため、英語を話さなくなる傾向があるということです。話さなければ、間違うこともないため、恥をかくこともありませんからね。
でも、それでは何のために留学したのかが分からないですよね?留学で貴重な時間と資金を投資していることを考えれば、実に勿体ないといわざるを得ません。
留学先で語学力を向上させる人の共通点とは?
これまで多くの留学生と接していて思うことは、留学先で語学力を上達させる人たちの共通点があることです。
それは、「恥をかくことを恐れない」人達です。恥をかくことを恐れないため、自分が使う英語が間違っていようが、どんどん積極的に周囲の人に話しかけられるわけです。その結果、みるみるうちに会話が上達してくるわけですね。
特にこの傾向は、日本人留学生以外の南米系やヨーロッパ系の学生に多くみられます。彼らは文法的にも間違った英語を堂々と話そうとします。日本人留学生が気にするような細かい文法の誤りをほとんど気にしません。doやdoesとか、isやareなどはお構えなし(笑)。たとえ奇妙な発音であっても(?!)、聞き取れないあなたが悪いとばかり堂々と話します。だから日本人留学生と比べても上達が早いのです。
わたしは、留学先で『恥をかく』ことは、ある意味、その人にとってのレベルを向上させる一つの機会であり、良薬だと考えております。
事実、私自身の留学経験も含め、これまで関わった留学生の帰国後の話によると、「恥をかいたことがきっかけで、自分の行動が変り、その後の事態が好転した」ということをよく聞きます。それは冒頭でも触れましたが、私達は苦痛を逃れたいという欲求があるからです。
成長する留学生たちの傾向として、恥をかいた後、同じ思いは二度としたくないとばかり、行動しないほうを選ぶのではなく、もっと向上したいと考え、努力し、さらに恥をかくことを楽しむが如く、積極的にチャレンジしていく。
「恥をかくリスク」以上のリスクは、「行動しないリスク」!
恥をかくということは決してマイナス面ばかりではありません。恥をかくリスクよりも、それを避けたいとばかり行動しなくなるリスクのほうが留学生にとっては大きなマイナスだと私は考えます。なぜなら、成長の機会を失うからです。
ですから、恥をかくという嫌な感情を逆手にとり、より成長するための起爆剤として、その感情を活用していけるような逞しさを持ってもらえるとより充実した留学生活が送れると思います。
この姿勢は、語学の勉強の話ばかりではなく、様々な面で応用ができるはずです。恥をかくことを恐れるあまり、無意識に自分の行動にブレーキをかけてしまうのは、せっかくの成長の機会を自ら拒んでいるようなものです。
私がよく留学生に伝えることは、留学先では、自分にとって都合がいいことも、都合が悪いことも含め、体験したもの勝ちだ、ということです。
多くの留学生は、良い体験だけをしたいと望んでいます。もちろん、それに越したことはありませんよね。
でも実際には、留学でより成長し帰国した留学生は、自分にとって好ましい体験だけでなく、好ましくない体験も含めて様々な体験をした人たちです。
それらの両方の体験が、後々、かけがえのない自分の財産になります。
余談ですが、それゆえ、帰国後の就活の際に、企業面接などでは、面接官はこぞって留学生活でのたいへんだったこと、苦労したことを質問するわけです。人は成功体験よりも失敗体験からのほうが、より多くのことを学べると考えているからです。その質問の回答からその留学生の成長度合いを判断しようとします。
まとめ
決して、恥をかくことをマイナスに捉える必要はありません。むしろ、「恥をかいてナンボ」くらいの、良い意味での「ずうずうしさ」を持ち留学に臨んで頂きたいと思います。
「留学では、”恥をかく”ことを恐れない人ほど成功している、結果を出している」ことを覚えておきましょう。
恥をかいた分だけ“得”をしているのだと発想で、様々なことに果敢にチャレンジしていただきたいと思います。
記事に関するキーワード
このコラムの著者
あうとりがー
有限会社あうとりがー 代表取締役
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●国家資格 キャリアコンサルタント
●総合旅行業務取扱管理者
大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。その後、留学生の出口である帰国後の就職・キャリア教育の重要性に着目し、2010年、留学生向け就職支援・研修会社にて留学生のキャリア支援にも携わる。その経験を生かし、現在、自社において、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。
これまで 留学生支援を開始以来、25年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリアコンサルティング・就職支援を行なう。
現在、一般社団法人JAOS海外留学協議会【 Global ACE 】(厚生労働省委託事業)において全国のキャリアコンサルタント 31名をまとめるスーパーバイザー役を担当し、キャリアコンサルタントに対して、留学生に対峙する際の助言・指導を行っている。
この著者の投稿一覧 >>
国で探す
- アイルランド(12)
- アメリカ(51)
- イギリス(43)
- インド(11)
- オーストラリア(33)
- オーストリア(1)
- カナダ(64)
- ドイツ(2)
- ニュージーランド(28)
- フィリピン(78)
- フランス(29)
- ポルトガル(16)
- マルタ(13)
- マレーシア(22)
- 台湾(15)